あせもとは
あせもは、汗が皮膚表面にたまりやすい部位に発生する皮膚疾患で、特に暑い気候や発熱後によく見られます。小さな赤い発疹(プツプツ)が額、首、肘や膝の内側、脇の下、背中、お尻などの部位に出現し、ヒリヒリ感やかゆみを伴うことが一般的です。これらの症状は、皮膚が刺激に反応して炎症を起こしているために生じます。
特に乳幼児は大人に比べて汗腺の密度が高く、活動的なため、冬場でも厚着や室内の暖房によってあせもが発生しやすい環境にあります。あせもそのものは比較的軽い疾患ですが、患部を掻き壊してしまうと、そこに細菌が侵入し、痛みを伴う感染症(俗に「あせものより」とも呼ばれる)を引き起こす可能性があります。
あせもの原因
あせもは、主に多量の汗をかいた際に汗管が詰まり、汗が皮膚の外に出ることができずに皮膚内部に漏れ出て生じます。この状態は「水晶様汗疹」と「紅色汗疹」の二つの形態に分類されます。
このタイプは、皮膚表層の角層で汗管が詰まることにより発生し、小さな透明な水泡が現れます。通常、この形態のあせもは痛みがなく、かゆみも少ないのが特徴です。
こちらはより深い皮膚層で汗管が塞がり、赤く炎症を伴う発疹が生じます。この形態は痛みや強いかゆみを引き起こすことがあります。
人間の体には約230万個の汗腺が存在し、子供も大人もほぼ同数を持っていますが、体の小さい子供では体表面積あたりの汗腺密度が高く、あせもを発症しやすい状態にあります。特に、首周り、脇の下、膝の裏、肘の内側、お腹周り、足の付け根など、汗をかきやすく摩擦が起こりやすい部位にあせもが形成されやすいです。
あせもの治療法
あせもの治療方法は、その重症度に応じて異なります。以下は一般的な治療アプローチです。
- 環境調整:部屋の温度を涼しく保ち、通気性を良くすることで汗を減らします。
- 清潔保持:肌を常に清潔に保ち、汗や汚れが積もるのを防ぎます。特に発汗後は、すぐにシャワーを浴びるか、ぬれタオルで優しく拭き取ると効果的です。
- 外用薬の使用:炎症を抑えるために、炎症止めやかゆみ止めの外用薬を塗布します。これにより、掻くことによる症状の悪化を防ぎます。
- 抗生剤の使用:細菌感染が疑われる場合、適切な抗生剤を用いることがあります。これは医師の診断に基づき行われます。
あせもは季節的や体質的な要因で再発しやすい疾患です。再発を防ぐためには、環境を調整し、肌の清潔を保つことが重要です。また、発汗直後の適切なケアも再発を防ぐ鍵となります。これらの対策によって、あせもの不快感を軽減し、健康な肌を維持することができます。